ミュニュレ・ジブール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2000年12月5日 | |||||||||||||||||||||||
<味の印象> この村のワインにしては、かなり濃いルビー色である。洗練された味わいには堅さが感じられ、長熟タイプの名作を予感させる。タンニンと酸のバランスも高い位置でキープされ、絹のような喉越しに思わずうっとりである。実力の差を感じる秀逸なワインである。おいしい。凝縮感のある飲み応えと、まだ閉じ加減の味わいは、数年後に再び出会いたい欲望にかられる。凄いワインは若いうちから凄いことを証明するようなワインである。 村名ワインのため、そんな極上の飲み頃は意外に早くやってくるかもしれない。とにかくもう一本欲しいワインである。某所にあと一本残っていたはずだ。 (パーカーズポイントは90点) このジブールのACヴォーヌ・ロマネと前後してA.F.グロの同ランク1997とビゾーの特級エシェゾー1998を試飲したが、三者の中ではこのワインが圧倒的な存在感を示した。力強さと上品さを見事に兼ね備え、醸造担当のマリー・アンドレの実力を思い知る形となった。ちなみにA.Fグロのワインはあざやかなルビー色で、甘い果実味を感じさせつつもしっかりとした辛口に仕上がっていた。やさしいタイプのヴォーヌ・ロマネである。ビゾーについてはドリンキングレポートを参照してください。 <ドメーヌ・ミュニュレ・ジブール> このドメーヌはドメーヌ・ジョルジュ・ミュニュレと関係が深い。もとはひとつのドメーヌであったためである。1988年に他界した眼科医のジョルジュ・ミュニュレ博士の跡を継ぎ、未亡人のミュニュレ夫人と二人の娘(前述のマリー・アンドレとクリスティーヌ)が博士の名声を汚すことなく、この村の代表格として君臨している。特に選別台を導入した1996年からの評価は高く、トップドメーヌのひとつに数えられる。 女性3人が営むこの二つのドメーヌはロバート・パーカーもいたくお気に入りで五つ星をつけ、見たら買うべしの評価をしている。なるほど。私もパーカーの意見に大賛成だ。 この二つのドメーヌはエシェゾー、クロ・ド・ヴージョ、リュショット・シャンベルタンなどの銘醸を生む。ぜひ味わいたいものである。 ミュニュレ・ジブール = 1930年に博士の母が購入した畑 ヴォーヌ・ロマネ ジョルジュ・ミュニュレ = 故ミュニュレ博士が購入した畑 ヴォーヌ・ロマネ以外 以上 |