メオ・カミュゼ
試飲日 2002年12月31日
場 所    神奈川県某所j
ジャン・ニコラ・メオ氏
撮影 : にしかた
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン 
生産者 Domaine Méo-Camuzet (Vosne-Romanée)
Vintage 1995
テーマ 2002年最後のワイン
ワイン RICHEBOURG Grand cru
 
<リッシュブール>
 室温のまま抜栓後すぐINAOグラスへ。ムラサキがうっすらと残るか残らないか微妙なラインでとどまるルビー色に、熟成を偲ばせるガーネットが微かに入り込んだ色合い。香りは閉じていて、んんんんんん、である。先週に同じ場所で抜栓された1996とは明らかにレベルが違うというコメントを耳にするにつけ(私は不在)、それでも天下のリシュブールになんら文句はなく、どうやって楽しもうかしばらく思案の時が流れたりする。

 打開策としてロブマイヤーNo.3を用意。おおお。お花畑のイメージがそこに展開されている。若干耕したての土の印象を残しつつ、香辛料的要素とスミレや他の鮮やかな花束の香りが勢いよくグラスから満ち溢れてくる。すごい。圧倒的な存在感がここにある。黒系果実味というよりはブルーベリーが豊満に香り、背筋に緊張感を走らせる。複雑にしてふくよか。口に含めば、エレガントな味わいに力強さが加味され、厚みと奥行きをもたらす極上のリシュブール。余韻というのはこの感覚を言うのだといわんばかりの圧倒的な長さ。すごい。ヴォーヌ・ロマネらしい怪しげな雰囲気が見え隠れしつつも、グイグイ背筋を押し込む底力。姿勢が一気に正され、ぐうの音も出るはずがない。しっかりと世界最高を意識させる実力。すばらしい。激動の2002年の締めくくりには最高のワインであり、このワインが今後のリシュブールの指標になることは間違いないだろう。そしてこのワインの上に立つワインはこの星に3つしかないことを認識させる。ロマネ・コンティ、ラ・ターシュ、そしてロマネ・サン・ヴィヴァン・・・。


 最近メオ・カミュゼの極上ワインを堪能させていただいているが(レポート未発表)、若きブルゴーニュのエースは、その立場を確実に頂点に押し上げている。すごいワインを目の当たりにして、改めてブルゴーニュの魅力に取りつかれる大晦日の夜であったりする。


以上



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