ドーブネ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年01月11日 | |||||||||||||||||||||||
<アリゴテ>
室温のまま抜栓後すぐINAOグラスへ。冷たさは感じない程度の温度で、今後展開されるドーブネワールドを堪能するために、決して冷やされることはなかった。色は輝きのある金色で、つくづくつ優雅である。やはりである。抜栓直後のグラスは威風堂々たるドーブネ特有の香りに満ち溢れているのだ。燻したヘーゼルナッツとハニー香、土っぽいニュアンスの温かみのある香りがふくよかに香り、一瞬これがアリゴテであることを忘れさせ、どう考えてもシャルドネ100%の極上の逸品にしか思えないところが、不思議である。口に含めば、硬質な酸に支えられた厚みのある味わい。クラスを超えて、甘味すら感じるうまみ成分にグラスのワインはグイグイなくなってしまう。鼻から抜く香りには、ニ、三層に感じるミルフィーユ系のハニー香があり、以前(レポート連載前)に飲んだときより、明らかに熟成が進み、コート・ド・ボーヌのグランクリュクラスに匹敵する味わいを醸しだしている。まさに今がベストの味わい。ぐぐぐ。世界最高のアリゴテは今も健在。非の打ち所のないすばらしい味わいだ。そして飲み込む直前には、しっかりとアリゴテの酸味が舌をぎゅっと刺激して、唾がどぼどぼ溢れまくる。余韻もアリゴテを考えると驚異的に長く、もしこれがアリゴテらしく食前や前菜に合わせられたら、食欲はいよいよ旺盛になり、食で味わう感動の渦に見事に引き込まれることだろう。偉大なアリゴテ。拍手喝さいをもってこのワインを称えたい。そしてこのワインはまったくへたることなく、そのワイン人生を一滴残らず終了した。 今回のワインは1500余本しか生産されておらず、にもかかわらず数回堪能させていただいた喜びに感謝してやまない。某氏をはじめ各氏に感謝である。ただ今後日本での入手は困難を極めるところが辛く、おそらくこれが最後の出会いになるのではないだろうか。次は2000年ビンテージで会いましょう。そんな出会いは適うのだろうか。至って心配である。 以上 |