ドメーヌ・ロベール・シュビヨン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年01月13日 | |||||||||||||||||||||||
<ニュイ・サン・ジョルジュ 1級 プリュリエール> 暖房の効いた部屋にて、抜栓後すぐINAOへ。ガーネットを基調とした淡いルビー色。この薄い色合いは大のお気に入りで、飲む前から期待は高まるばかりだ。赤系果実がきれいに熟成していて、そこに乾いた土っぽいニュアンスと紅茶が穏やかに重なっている。口に含めば優しみのあるニュイ・サン・ジョルジュ。若いうちはパワフルで男性的で筋肉質な果実味が特徴のパーセルにあってこの優しさは意外だ。10年の時をドメーヌセラーで過ごした逸品は、雑味がなく、醤油やキノコ系の熟成香はかすかに感じられる程度で、熟した果実味がその肩の力をふうっと抜いたような印象。つくづく優しい。鼻から抜くとチョコレートも感じられ、丸みを帯びたタンニンと暮れゆく果実味のバランスもよい。うまいね。熟成すると、こうなるのかと思わず唸らずにはいられない。ニュイ・サン・ジョルジュの土臭い印象は影を潜め、角の取れたピノノワールの世界を堪能する喜びに包まれる。ただ余韻はそれほど長くなく、下り坂が目前に迫り来る味わいは否めないので、今このタイミングで飲めた幸運に感謝するところだ。 シュビヨンのセラーからたった一人の人間によって日本に運ばれ、その人間によって某所で飲まれたワイン。これ以上出所がしっかりしているワインはほかになく、移動中も温度計片手に慎重に運んだ甲斐もあるというものだ。 ロベール・シュビヨンはニュイ・サン・ジョルジュに本拠地を構え、数多くのニュイ・サン・ジョルジュをリリースしている。特級畑を持たないので今ひとつブレークしないが、この村の個々の畑の個性(テロワール)を知るには当然に名前が挙がる有力ドメーヌである。 以上 |