＜シャサーニュ・モンラッシェ　１級　モルジョ＞
　暖房の効いた部屋にて、抜栓後すぐINAOへ。液温19℃。ガーネット系の薄めのルビー色。赤系果実が紅茶のニュアンスを伴って香り立ち、やや土壌香と動物香も感じられる。口に含めば、渋みのない上品なうまみが静かに存在する。「静かなる美」。雑味がなく、熟成感が赤系果実味に優先している。エレガントで滑らかな味わいは、深みも伴っていて、ラモネの赤の魅力を大いに堪能させてくれている。余韻も長く、ラモネの名にも１級の名にも恥じない奥深い味わいを楽しむことが出来る。同じコート・ド・ボーヌでも、シャサーニュ・モンラッシェ村はいわゆるボーヌ、ポマール、ヴォルネイ系統の味わいとは明らかに性質を異にしていて、この村には世界随一の特級白ワインはあるものの、実は赤ワインのアペラシオンなのだとしみじみ思わせる力がある。いいぞ。

　ドメーヌ・ラモネはピュリニー・モンラッシェ村の特級(註)をすべて所有する世界最高レベルの白ワインの造り手だが、実は生産量に占める赤ワインの比率はかなり高い。白ワインに比べて赤ワインのコストパフォーマンスは高く、常に高品質のため、出会った時が買いごろのワインの代表格でもある。モルジョは赤ワイン・白ワイン両方ともあり村の南に位置し、もう少し南に下がるとサントネの村にたどり着ける。


註　ピュリニー・モンラッシェ村の4つの特級畑をすべて持つドメーヌは少ない。　
モンラッシェ　シュバリエ・モンラッシェ　バタール・モンラシェ　ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ


以上