ジャン・グリボ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年01月12日 | |||||||||||||||||||||||
<クロ・ド・ヴージョ> 抜栓後すぐINAOグラスへ。やや黒っぽいルビー色。香りは立っていないが、黒系果実に薄いチョコが重なるニュアンスが面白い。口に含めば、外側からようやく回ってくるタンニンが優しさを演出していて、地味な味わいながらも上品な装いを醸しだしている。少し軽い。ややもするとこの軽いイメージが支配的になり、平たくなりがちだが、よくよく味わえばボディ感があり、味わいに厚みを感じることが出来る。旨み成分は飛び抜けてあるわけでもなく、余韻もそこそこしかないが、どうにかグランクリュの存在感は示している。 あまり褒めていないような気がする。そう。そうなのだ。このクロ・ド・ヴージョは地味なのだ。飲み手が特級を意識してこそ特級の味わいが楽しめる味わい。そうしない限り、華やかさや重厚感がないために、特級アペラシオンの期待感は難しいかもしれない。濃縮感もそこそこ、タンニンもそこそこ、余韻もそこそこ、酸味もそこそこ。そこそこづくしのクロ・ド・ヴージョだったりする。過剰な期待は大いに裏切られるが、何気なくワインを楽しむには肩肘張らずにしっぽりと楽しめるワインかもしれない。特級ワインにして相対的に低めの価格設定のワインであり、良くも悪くもまさに価格通りの味わいだったりもする。 クロ・ド・ヴージョは難しい。際立ったアペラシオンの特徴がなく、何十人もいる生産者との比較云々の話から脱却できないところが難しさを助長しているのだろうか。 今宵はどうもおさまりが悪いので、ここら辺で筆をおいておこう。 以上 |