ペルナン・ロサン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年01月12日 | |||||||||||||||||||||||
<モレ・サン・ドニ>
抜栓して10分経過後にINAOグラスへ。液温22℃。ガーネットが美しいルビー色。軽く腐葉系の土壌香に蒸した栗が加わるものの、例の心配されたクサヤ系の否定的な香りはなかった。赤系果実味がベースにあるが、熟成感が大きく上回っている。口に含めば、滑らかな酸味が心地よく、クラシックタイプの典型的な味わいだ。優しい味わい。そしてマスカットにも似た酸味が、旨みに加わり、いかにも通好みの癖になりそうな味わいだ。独特の香り立ちから、これにあわせる料理はやはりジビエ系統だろう。赤身を残した肉にも合いそうだ。しっかりした熟成感が楽しめ、余韻もある。いい感じである。大きめの澱もあるが、デカンタして取り除くもよし、万が一混入してもグラスに鎮めて飲むもよしだろう。 ペルナン・ロサンのワインには俗に言う「う○こ臭い」香りがあり、一部で拒絶反応にも似た嫌悪感があるが、今回のワインにはそれを彷彿とさせるニュアンスこそあるものの、そのものズバリはなく、安心して楽しめた。しかし腐葉土系の香りはしっかりあるので、この香りが苦手な人には勧められないワインかもしれない。間違って勧めてしまった場合は、16℃程度まで冷やして香りを抑えるか、その人の分まで飲んでしまうのがいいだろう。一方、ジビエなど癖のある肉料理が好みの人には、なんとしても紹介したいワインである。まさにベストマッチワインである。 ところでペルナン・ロサンはすでにワイン造りを引退していて、その所有畑をドメーヌ・クリストフ・ペロ・ミノなどに譲り、ペルナン・ロサン財団を設立して、その収益で生計を立てているという。醸造所はヴォーヌ・ロマネ村のバス停の前にあったが、そこもすでにペロ・ミノの施設となっており、今どこにいてるか不明である。ちなみにそのバス停で当分来ないバスを待っていると、若きペロ・ミノが手を振ってくれたりするので、うれしかったりする。 以上 |