ヴァンサン・ジラルダン
試飲日 2003年01月22日
場 所    神奈川県某所
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン 
生産者 Maison Vincent Girardin (Meursault)
Vintage 1999
テーマ ジラルダンの赤
ワイン Volnay 1er cur Les Santenots
 
<ヴォルネイ サントノ>
 
抜栓後すぐINAOグラスへ。液温18℃。ムラサキを混ぜ込んだような濃い目のルビー色。赤系果実味を基調として、軽い腐葉土、栗が入り混じっている。口に含めば、酸味がタンニンに勝り、濃縮感はあるものの、全体的に荒々しさを隠しきれない味わいだ。濃くって力強いワインであり、「品 フィネス」もないとはいえないが、こなれていない果実味には分も悪く、バランスは良いとはいえない。余韻はそこそこあり、時間とともに香りに粉っぽい要素が現れ始め、この変化もまた楽しからずや。ただそれとともに味わいが急速に衰えていくので残念でもある。ここにも1999神話は成立していない。

 このワインは、良く言えば「教科書的」である。ヴォルネイ・サントノとしてのアペラシオンの個性を十分楽しめるからだ。ヴォルネイとヴォルネイ・サントノは違うテロワールであることを認識するのに役立つことだろう。価格も巨匠たちと比べれば、高くはないので巷のワインセミナーに登場する割合も多いと予想できる。このワインを基準にして、他の生産者(ルロワ コント・ラフォン ミクルスキなど有力者が多いが・・・)のヴォルネイ・サントノを知るも由、他のヴォルネイのワインと比べるもよしだろう。しかし、大方の教科書というものがそうであるように、そこに感動があるかどうかは疑問だ。教科書はあくまでも教科書。そこから知的好奇心をくすぐられ、違う本を手にしたところから何かが始まる・・・。そんな学生時代を思い出したりする・・・。このワインと比べて何が違うのか。時空を超えた好奇心の旅が始まる。葡萄品種はピノ・ノワールのみ。ブルゴーニュのそこはかとない魅力が、ここにある。


以上



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