セラファン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年01月25日 | |||||||||||||||||||||||
<ジュブレ・シャンベルタン 1級 カズティエ>
抜栓後すぐINAOグラスへ。ガーネットを含みつつしっかりとした黒系ルビー色。香りは閉じ気味ながら炭火系の、木を焦がした香りに、熟した黒系果実が重なり、遅れてカカオのニュアンスも現れる。以前ドメーヌのセラーで感じたキノコ系の熟成香はないが、そこはかとなく熟成のニュアンスも感じられる。口に含めば、筋肉質なボリューム感を残しつつ、熟れていく様が快い。滑らかなタンニンに力が漲り、熟成感に勝る果実味がパワフリーだ。ぐぐぐ。セラファン・ワールド全開。こびない甘さを端々に忍ばせつつ、うまみ成分が怒涛のように押し寄せる。余韻もすこぶる長く、豪快さをビロードのような繊細な味わいでオブラートするような微妙な感覚が面白い。凄いかもしれない。まだまだ力を蓄えているような姿が目に浮かぶ。この味わいを漢字三文字で表現したい。絶好調。まさにこの一言に尽きる。偉大なジュブレ・シャンベルタンの底力ここに見参である。 セラファンはいい。昨年8月に同じく1993ビンテージのシャルム・シャンベルタンをハンドキャリーして某氏宅で楽しんだ思い出が鮮明によみがえる。特級シャルム・シャンベルタンが女性的な美を達成していたのに対し、今回のカズティエは男の美学の誉れが高い。セラファンの二枚看板はそれぞれのアペラシオンの個性をセラファン流に表現していて、非常に楽しい。感謝である。 ところで昨年セラファンのドメーヌを訪問した際に、ご一緒させていただいた、丸ビルのフレンチレストラン「サン・エ・サヴール」のシェフソムリエの吉岡さんは元気だろうか。ワイン王国No.17号に堂々と登場する彼は、なかなかイケテイルぞ。近いうちに一杯飲みたいものだ。 以上 |