アルマン・ルソー | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年01月25日 | |||||||||||||||||||||||
<リュショット・シャンベルタン クロ・デ・リュショット 1990>
抜栓後すぐINAOグラスへ。ガーネット含みのルビー色はまだしっかりとその黒さを残している。黒系果実味をベースに品よく赤系果実が混ざりこみ、加えて土のニュアンスと、いわゆる熟成香がふくよかに香っている。口に含めば、ジュブレ・シャンベルタンの特級ワインにして、非常に女性的なニュアンスが面白い。ビロードのようなタンニンは全体を丸く丸く形作ろうとしていて、力強さがなくなっている分、やや弱々しさも禁じえず、少し下り坂にさしかかっているような印象を垣間見せている。ふと気がつけば、このリュショット・シャンベルタンは、あたかもシャンボール・ミュジニ的だ。シャンボールに三つ目の特級があるような、そんな錯覚に陥ったりもする。それほど女性的なのだ。 女性的、上品、なめらかさ。およそジュブレ・シャンベルタン村の特級として、そして偉大な1990年というビンテージを意識して飲むと、その思いとのギャップがあるかもしれない。この女性的な味わいこそが、巨匠アルマン・ルソーの実質的なナンバー4としての位置づけの(シャンベルタン シャンベルタン・クロ・ド・ベズ そして1級クロ・サン・ジャークの次)、裏づけになっているような気がしないでもない。男アルマン・ルソーのイメージとワインのイメージが少しずれるのだ。だから面白いという説もあり、ルソーの違った側面を楽しむこともできるので、このアペラシオンは目が離せなかったりもする。 いずれにしてもまさに今飲んで大正解のワインであり、今宵の出会いに感謝である。 以上 |