ドイツ国立醸造所 | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年01月26日 | |||||||||||||||||||||||
<ラウエンタール バイケン リースリング シュペートレーゼ 1975>
少し冷やして抜栓後すぐリーデルソムリエシリーズ400/1通称ラインガウグラスへ。黄色を煮詰めたような印象の深みのある金色。心配されたコルク臭はなく、リンゴのコンポートや蜂蜜がうっすらと香っている。口に含めば、そんなに甘くないというのが第一印象。口に入れた瞬間は、素直に甘味を感じるが、口にとどまっているうちから、切れのいい酸味を感じる。濃縮感があり、このとろとろのとろみ感は、舌に乗ったまましばらく消えないような感覚。ずっと舌に品よくまとわりついているかのようだ。酸がしっかりしていて、そのために甘さ控えめの印象があり、それでいてこの粘着性だ。素直に驚いている。余韻も長い。そして、このほんのりした甘さが口に残ることなく、すっきりした後味につながっていく。ドイツワインのポテンシャルの高さに敬意である。 時間とともに香りは濃密度を増していく。ただ小一時間ほどで味わい自体は下り坂に向かってしまうので、抜栓後はそんなに時間をかけずに楽しみたい逸品だ。このシュペートレーゼはそれほど甘くないので、甘口系のソースをベースにした魚料理などと一緒に合わせたくなる。残念ながら今宵はワイン単独だったが、次回の出会いがあるならば、ぜひ食事中に楽しみたいものである。 28年前のドイツワインである。ドイツワインは今後の世界情勢のなかで最も注目に値するワインになるだろう。ドイツワインの復権近し。ここはひとつドイツも抑えるべくして抑えておきたい。このワインは名門クロスター・エーベルバッハ修道院Kloster Eberbach蔵出し後に某所にて静かに時を過ごしていたワイン。今宵の貴重な出会いに感謝である。 以上 |