グスタフ・アドルフ・シュミット | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年01月26日 | |||||||||||||||||||||||
<ニアシュタイナー オルベルグ アウスヴァイン アウスレーゼ 1972>
少し冷やして抜栓後すぐリーデルソムリエシリーズ400/1通称ラインガウグラスへ。まずもってして赤い色合いにびっくりだ。赤みを帯びた金色というのだろうか。色からしてまずは圧倒される。これぞ30年の熟成したリースリングである。香りは、紅茶系の熟成香があり、何ともチャイニーズちっくな深みのあるブーケである。口に含めば、とろとろのとろとろ感。なんというべきか。一番近いのは、フカヒレの姿煮に合わせやすい味わいであり、干物を戻した感じに似ている。口に含んでいる時間が長いほど、唾がとめどなく溢れ出てくる。余韻も長く、上品な味わいがとても心地よい。アイズヴァインにして、アウスレーゼのこの味わいは、極上の甘口の範疇に属すものの、意外にそれほど甘くなく、これはしっかりと酸が下支えしているためだろう。ただ甘いだけで終わらせないドイツの誇りを見る思いである。そしてリースリングという世界三大貴賓種の実力に、ただ溢れ出る唾を飲み込むのみである。 中華料理とあわせたい。酸の効いた甘味は、中華のタレとの相性も抜群だろう。ただこのくらいのレベルになると街の中華屋さんではなく、最高級レベルの中華料理店での豪勢な食事に合うのだろう。おそらく・・・。熟成したドイツ。こんな世界が展開していようとは、さすが甘口白ワイン最高峰の地である。 ところでアウスヴァインとアウスレーゼを併記している点に気付いた人は相当ハイレベルのドイツワイン愛好家だろう。それは1980年代の法改正以前に造られたワインだからであるが、ここは「ブルゴーニュ魂」なので、その辺の経緯は別の機会に譲りたい。 ちなみに今回のワインは、石橋コレクションである。 以上 次回予告 史上最高のアイスヴァイン シュタインベルガー登場 |