ペルナン・ロサン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年02月01日 | |||||||||||||||||||||||
<ヴォーヌ・ロマネ 1990>
室温のままデカンタに移してしばらく待った後INAOグラスへ。黒みが残る濃い目のガーネット。一瞬いわゆるロサン香と呼ばれる湿った腐葉土が香ったが、程なく消えてほっとする。ビターチョコ、カシス、血っぽいニュアンスが複雑に香り、怪しげな雰囲気も醸しだしている。口に含めば、滑らかで、優しい味わい。酸味とタンニンのバランスがよくも優しさの上で絶妙に調和し、うまみ成分がほんのり漂っている。熟成感もたっぷりのっていて、時間が経つほどにぐいぐい伸びてくる感覚がうれしい。余韻も長めで、まさに今が飲み頃を地で行くような印象であり、1990年という偉大な年の恩恵を優しく感じる味わいである。 リーデルエクストリームシリーズに入れると、濃縮感が増し、甘みにも似たうまみ成分が強調されてくる。嫌味のない熟成香とあいまって、ヴォーヌ・ロマネのアペラシオンの奥深さを感じざるを得なかったりする。 今回のワインは池子某所の防空壕跡地に眠っていたワインであり、防空壕での熟成もOKというお墨付きが出たような、そんなワインでもある。ペルナン・ロサン恐るべし。防空壕恐るべしである。 以上 |