＜ヴォーヌ・ロマネ　1級　レゾルボー　1990＞
　室温のまま抜栓後すぐINAOグラスへ。ガーネット系のルビー色。うっすらと醤油のニュアンスを漂わせつつ、もろみのある香りは閉じ気味だ。口に含めば、やさしい味わい。インパクトこそないが、しっかりとした構造を維持し、滑らかさの中にタンニンからくると思われるぎしぎし感が面白い。うまみ成分もたんとあり、唾も出てくる。熟成感が甘みに代わり、赤系果実味の微かな思い出がよぎったりしつつ、熟成感が現れ、それが甘みになり、そして老いていく。そしてこの優しい味わいの思い出が、いつまでも続く。

　つくづく薄味のしゅうゆだし系の味わいで、和食テーストにぴったりだ。1990年という偉大な年のイメージで臨むと、このやさしさは想定外かもしれないが、13年という時の流れを感じつつ、ヴォーヌ・ロマネの夜は更けていくのであった。

　今回は短めにまとめてみよう。今回も防空壕ワイン。感謝。


以上