ヴァンサン・ジラルダン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年02月09日 | |||||||||||||||||||||||
<ムルソー 1級 ジュヌブリエール>
抜栓前にある信頼すべき某女史より、今回のワインが、不具合品である旨の連絡を受けつつも、これも後学のためと抜栓後すぐINAOグラスへ。薄めの金色が輝いているが、おとといグラスに注いだシャンパーニュのような泡がグラスの内側にあり、情報の信憑性が増してくる。香りは完全に閉じていて、しいて言えばミルクっぽさと黴臭さがわずかに感じられる。恐る恐る口に含めば、微発砲を感じ、味がしない。なにやら正体不明のアルコール水を口に含んだようで、いやいや、まずい。こいつは参ったである。劣化している。 おそらく原因はマロラクティック発酵の途中で瓶詰めしたために、瓶内で発酵が続き、劣化にいたったのではなかろうか。外見上はまったく問題がなく、しいて言えばコルクが気持ち沈んでいるかな程度だったので、こういうワインとの出会いも致し方なしなのだろう。しかし、原因が高温劣化でも、低温劣化でもなく、醸造段階の劣化であるならば、ジラルダンのムルソー・ジュヌブリエール1997は全品不良品という可能性もある。真相はどうなのだろうか。ただ前日に同じワインを飲んだ某氏によれば、大変うまかったとの連絡もあり、一発逆転の極上ワインになっている可能性も否定できない。 大当たりか大はずれ。どちらかにかけてみるのも一興ではあるが、あえてそこまでの勇気を出す必要もないように思われるので、持っている場合は販売店と相談するか、劣化サンプルとしてワイン会等で大人数で検証するか、どうすべきか悩むところである。 今回はこんなワインに出会ったということで。。。 以上 |