ヴォグエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年02月22日 | |||||||||||||||||||||||
<ブルゴーニュ 白>
抜栓後INAOグラスへ。やや緑がかった薄い金色が輝いている。バニリンオークを含みつつクリームを思わせる滑らかな香りが漂っている。口に含めば、ややひんやりする温度で、ミネラリーで充実した味わい。強いアルコール感を感じ、リキュールのようなイメージもある。これはすごい。さすが、ボグエのある意味看板ワインだ。いつ特級に戻ってもおかしくない味わいは、驚異的ですらある。とろみ感というよりクリーミーな豊かさがあり、塩を連想させる凄いミネラル感が圧倒的だ。赤ワイン的なニュアンスもあり、しっかりとした酒質に喜びを禁じえない。そして、このミネラルさは食事を欲し、比内地鶏の香ばしい塩味や、岩塩包み系統の料理にあわせたくなる。 時間とともに(抜栓後小一時間くらいか)、このミネラル感はふくよかなボリューム感にとって代わられ、野に咲く白い花を彷彿とさせる香りに、しばし時の流れを忘れさせる。口に含んだ時間が長いほど、唾もあふれ出し、極上のうまみ成分と、いつまでも続く余韻に心奪われたりもする。 コート・ド・ニュイ地区は赤ワインの大銘醸地であるが、極わずかながら、白ワインもしっかり存在する。その白ワインの中で、押しも押されぬ筆頭ワインが、このヴォグエのブルゴーニュ・ブランである。畑は特級ミュジニにあり、若木ゆえにランク下のACブルゴーニュを名乗りつつ、特級への再昇格も秒読み段階に入っているものと推測される。 やはりこのワインはブルゴーニュ愛好家にはぜひ飲んでもらいたいワインのひとつだろう。そして、特級に上がる前に、しこたま買い占めたくなったりもする。ただあまり量がないので、出会ったときが唯一にして最後のチャンスかもしれない。 今回のワインは昨年パリ某所で購入したもので、モスクワ経由でハンドキャリーしたものである。ワインは無事輸送され、きれいに飲み干すことが出来た。すばらしい、である。 ボトリングNo.565 以上 |