ダニエル・リオン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年02月22日 | |||||||||||||||||||||||
<ニュイ・サン・ジョルジュ 1級 クロ・デ・アルジリエール>
抜栓後INAOグラスへ。赤みを帯びたガーネットは色が濃く、そして深い。イチヂクが豊かさに彩られ、赤系果実の熟し具合も心地よい。口に含めば、いい具合に腰も折れ、力を抜きつつも、まだまだ若い連中には負けられないと気を吐く初老のロマンスグレーを思い描かせる味わいだ。たっぷりと甘みがのり、うまみ成分の塊と化した液体は、ゆっくりと喉を通過する。えぐくなく、渋くなく、軟でない。構造的な滑らかさがあり、その丸みを帯びた味わいは、15年の歳月の賜物だろう。たそがれ時に銀座界隈でロマンスグレーを身にまとった初老の男性とすれ違ったときのような緊張感が、このワインにはある。俗にいう、いい歳のとり方をし、我もかくありたしと願う。余韻も長く、積み重なった歳月の遠い昔を偲びつつ、年輪のような味わいが、また楽し。 黄昏たい。そんな夜にダニエル・リオン。 畑はドメーヌの斜向かいにあり、クロ・デ・ラルロの隣にある。 以上 |