ピエール・モレ1 | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年03月08日 | |||||||||||||||||||||||
<ポマール 1級 グラン・ゼプノー> 抜栓後すぐINAOグラスへ。黒に近いルビー色にもようやくガーネットが染み出したような色合い。香りは完全に閉じていて、そっけない香り立ちだ。口に含めば、そっけない味わい。果実味があるわけでもなく、タンニンが荒いわけでもない。不謹慎ながら一瞬エチケットのPommard Grands Epnotsの文字を、Bourgogne Grand Ordinaireと読み間違えそうな勢いがあり、味わいの「そっけなさ」も影響して、しばらくはエチケットをまざまざと眺めたりした。閉じている。または沈んでいる。または、撃沈している。なんと表現すればいいのだろうか。これだからポマールは難しい。まさに箸にも棒にも引っかからない味わいであり、あちぁぁぁという顔つきになったりもする。 それでも時間とともに徐々に果実味が現れ始め、ポマールらしい男性的な味わいの片鱗を見せつけてきた。しかし、ついに感動の域に達することなく、静かにもとの鞘に戻るところが残念だったりもした。おそらくはデカンタして強制的に目ざませても、味わいが単調になるだけで、開花させるのは難しかろう。ワインのポテンシャルが、小さくまとまりすぎているためだ。やはりピエール・モレは白ワインの名手として、白に注目すべきなのだろうか。そんなことを思ったりしたワインだった。 以上 |