コント・ラフォン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年03月09日 | |||||||||||||||||||||||
<ムルソー シャルム>
抜栓後すぐINAOグラスへ。液温18℃。透明感のある薄い金色で、意外な明るさが印象的。ハニー香が上品に漂い、白い花系統のクリーミーな香り立ちが「美」を表現している。口に含めば、これまたクリーミーな滑らかさを持ったしっかりとした質感。1997のほかの畑に比べて華やかさは幾分抑え目で、若干軽いテーストに意表をつかれる思いだが、複雑で充実した味わいに、1997ラフォン節をひしひしと感じる。このクリーミーでトロピカリーな果実味は、極めてエレガントに漂い、時間とともにカラメルっぽいニュアンスも感じられ、ラストはミルクのような優しさに包まれていた。この優しさは数ランク上の味わいを感じさせるにあまりある。うまみがたっぷりとのったムルソー・シャルムは、角ばったところがなく、水のようにするりと飲み込めるのに、じわりと頬を緩ませ、ほっと幸せ感をもたらしてくれる。やはりラフォンはすばらしい。ケバクなりがちなムルソーにあってこの上品さが、納得の一本である。 1997のコント・ラフォンの銘醸ワインの中で、最も優しい味わい。それがシャルムであるように思われる。ドカンとくる豪快さはなく、極めて静かに飲み手を歓迎する奥深さを持っているように思われる逸品だろう。 以上 |