＜ブルゴーニュ＞
　抜栓後すぐINAOグラスへ。濃い目のルビー色で、エッジに若干熟成のニュアンスが感じられる色合い。黒系果実をメインに、乾いた土壌香、アジアンスパイスが程よく豊かに香っている。口に含めば、予想外の奥深さ。しっかりとした果実味に優しいタンニンが絡み合い、素直なおいしさが心地よい。正直うまい。熟成モードの入り口にさしかかかる味わいにして、食事を欲する味わいだ。事実、赤身肉にあわせてみる。レアに焼かれた肉に、このブルゴーニュは品よく絡み合い、土のニュアンスが強調されて鼻腔を豊かに満たす。余韻はそれほどないが、この渋みのない品のある味わいに、食卓は美しく彩られる。

　レストランにあったら間違いなく頼みたくなるワインの筆頭格である。食事を引き立てつつ、ワイン自体もきっちりいい仕事をしてくるからだ。そして自宅で楽しむならケース買いして、ピノ・ノワールが飲みたくなった夜に、ふとこのワインがあればかなりの幸せ。肩肘張ることなく、気軽に、そして予想以上に優雅な夜が過ごせることだろう。


以上