ルイ・ジャド
試飲日 2003年03月30日
場 所    天麩羅 藤よし
照 明 蛍光灯+自然光
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン
生産者 Louis JADOT (Beaune)  
Vintage 1999
テーマ ジャドのモノポール
ワイン Volnay 1er cru Clos de la Barre (monopole)

<ヴォルネイ・クロ・ド・ラ・バール>
 
抜栓後すぐ小一時間待ってINAOグラスへ。極薄い桜色系のルビー色は季節がらうれしくもなるが、1999というビンテージを考えると予想外に薄い色合いかもしれない。香りは閉じていて、かすかに赤系果実が漂う程度。口に含めば、見事な野性味を少し感じるイチゴ風味の赤系果実。奥行き感がなく、一瞬ボジョレーかと思わんばかりの味わいに、「やっちまった・・・」の感も否めない。タンニンは奥に控えめで、酸味が強調される味わいは、いわゆる酸っぱいワインになりやすく、天下のルイ・ジャドの偉大な年とされる1999にして、どうしようと頭は駆け巡る。デカンタをすれば回復しそうだが、それはちょっと場所的にも無粋かと思われ、しばらく我慢の時を数えたりする。そして少し冷やしてみる。

 しばらくすると、いわゆるコクが出てきた。平べったかった味わいにふくよかさとそれに伴う奥行き感が出てきて、一安心。ヴォルネイらしい女性的でエレガントな味わいも感じられ、全体的に球体のイメージを取り戻してきた。ふう、である。最初からこの味わいを出してくれれば、何の苦労もないのに、ジャドの遊び心に翻弄されてしまうところもまた、ピノ・ノワールの楽しみかもしれない。

 それでも余韻は長いとはいえず、濃縮感もあまりないので、さらりとした球体のイメージは拭えず、アルコール飲料として楽しむと、すこし肩をすかされる味わいかもしれない。しかしこの畑は、プスドールのポマール側で接し、ヴォルネイの中でも比較的軽めのタイプの畑であるため、畑情報を事前にもう少し知っていれば、それ相応の対応もできたはずで、精進の日々は続きそうだ。

 
以上
 


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