シャトー・シュヴァル・ブラン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年05月31日 | |||||||||||||||||||||||
<シャトー・シュヴァル・ブラン> 抜栓後キャプテン型デカンタに入れて一時間ほど待ってからINAOグラスへ。濃い目の茶褐色系の深い色合い。黒系果実香にバニラ、杉のニュアンス、コーヒー、燻し香、あまいミルク香が加わり、複雑かつ芳醇な香り立ちだ。口に含めば、なまめかしい艶やかな味わいで、濃縮した果実味とようやく肩の力を抜いたような熟成感が絶妙なバランスで成り立ち、いともエキゾチックである。丸みを帯びつつあるタンニンと肉付きの良い豊かな構造に感慨もひとしお。押し戻ってくるバックテーストは見事と言うよりほかになく、このいつまでも続く余韻にボルドーの耽美主義を思い知る。長熟を思わせる構造にもかかわらず、今飲んで十分その能力を発揮してくるところがすばらしい。 この年のセパージュは通常の割合(66 : 34)とは異なるらしく、カベルネフラン50%、メルロ50%の割合らしい。最近意外にボルドーを飲んでいたりするが(未レポート)、サンテミリオンのおいしさもまた一興である。個人的にはこのサンテミリオンのワインは、ボルドーからブルゴーニュへの(またはその逆)、味わい的な架け橋となっているような気がして、注目の産地だったりもする。 また1995のボルドーを今飲むという行為は明らかに早飲みの部類に入ると思うが、初夏の常温においてキャプテンデカンタと1時間の待ち時間が巧みに連動し、極上の味わいを堪能することが出来た。各位に感謝である。 以上 |