J・J・コンフュロン
試飲日 2001年1月6日
場 所    神奈川県内某所
照 明 不明
種 類 フランス AOCワイン
生産者 Domaine Jean-Jacques Confuron (Premeaux-Prissey)
Vintage 1996
テーマ 偉大
ワイン CLOS VOUGEOT
 

<味の印象>
 これは偉大なワインである。まさに私の好みの味であり、この出会いは感激である。色合いは濃く、深いルビー色。濃縮感が十二分にあり、甘い花の香が立ち込めている。砂糖に漬け込んだ新鮮なプラムをゆっくり煮詰めたような甘さは、このエレガントなワインに拍車をかけている。酸味と渋みのバランスも極めてよい。重く深いワインであるはずなのに、非常に飲みやすい。飲み込むたびに満たされるうまみ成分と長い余韻には、しばし言葉を失い、極上のワインを味わえた幸せに浸ってばかりいる。
 このワインの評価は高く、1990年代最高のヴージョと絶賛されている。なるほどこの味わいこそが、世界中の愛飲家を虜にするのだ。この味だ。ううう。凄い。
 ちなみに今回のワインは世界一の天婦羅(うまいもんツアー参照)と共に堪能した。一般的に天婦羅と赤ワインは合わないように思われるが、意外にどうして、一流同士の組み合わせはうれしい誤算であった。確かに京風の蛤の天婦羅と極上のクロ・ヴージョには味の共通点はない。しかし旨味を閉じ込めた天婦羅とうまみ成分の塊であるJJCの特級クロ・ヴージョは「極上のうまさ」というカテゴリーで共通する。頂点を極めたものだけが共有できる何かがあるのだろう。それが何であるかは自分自身がその域に達しなければならない。まだまだ修行が足りないようである。

 2000年11月JJCセラー蔵出し
 パーカーズポイント 93点
 スティーブンタイザ 91(+?)点


<ジャン・ジャック・コンフィロン = JJC >
 故ジャン・ジャック・コンフィロンがシャルル・ノエラ(1988年にドメーヌ・ルロワに買収された)の孫娘と結婚して誕生したドメーヌで、現在は娘のソフィと夫で元機械工のアラン・ミュニエによって営まれている。畑はコンフュロン家とノエラ家から分けられたもので、シャンボール・ミュジニーからニュイ・サン・ジョルジュまで数多くのワインを造っている。看板ワインは特級ロマネ・サン・ヴィヴァンとこのクロ・ヴージョ。さらに1991年からは有機栽培を実施している。本拠地はニュイ・サン・ジョルジュのとなりプレモー・プリセ。
 参考までに、この地区はニュイ・サン・ジョルジュ村ではないが造られるワインはACニュイ・サン・ジョルジュとして販売されている。またプリセー村はコート・ド・ニュイ・ヴィラージュを名乗ることができる5つの村のひとつである。ちょっとややこしいが、細かく覚える必要性は少ないようだ。
 このドメーヌの躍進ぶりは目を見張るものがある。ロバート・パーカーはかつてその著書「ブルゴーニュ」で野菜臭いワインと酷評していたが、近著「厳正評価 世界のワイン」では最高評価の5星をつけて賞賛している。その評価は夫婦の努力によって勝ち取られたのだろう。今後もこのドメーヌには目が離せないぞ。

以上


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