ジャン・ラフェ
試飲日 2001年1月14日
場 所    神奈川県内某所     
照 明 蛍光灯
種 類 フランス AOCワイン
生産者 Domaine Jean RAPHET et Fils (Morey-St-Denis)
Vintage 1997
テーマ ドメーヌもののラフェ
ワイン CLOS VOUGEOT
 

<味の印象>
 赤系果実味系。このクロ・ヴージョもうまい。品のいいルビー色は目にもやさしく、色合いと味わいに統一感があり、見たまんまのうまみがある。花を思わせる甘い香はカラメル香と相まって繊細な上品さを持ち合わせている。口に含めば、やさしい味わいと鼻に抜けるミルク香が心地よい。長い余韻は両方の耳のやや下あたりをくすぐるように留まっている。濃くって力強いワインだけが、いいワインなのではない。このクロ・ヴージョのように繊細で上品なワインもそれ以上に偉大であることを知らしめてくれている。
 クロ・ド・ヴージョといえば70人以上の所有者がいることでも有名だが、同時に生産者による差も顕著であり、当たり外れが最も大きい特級ワインとして知られている。しかしこのラフェのワインはまさしく大当たりであった。そもそも伝統あるこの畑の底力を思い知るとき、やはりブルゴーニュの魅力に魅了された悦びに包まれるのだった。
 ちょうど一年前にも同じ97年のクロ・ヴージョの試飲を経験したが、その時はただうまいと思っただけで、買いたいワインとは思わなかった。今回の試飲を受けて、ラフェはぜひとも欲しいワインのひとつとなった。このやさしい味わいは、なかなか出会えないぞ。しかし世の中そうそううまく行くはずもなく、今回のワインが日本市場での最後の一本であった。いつの日か、再び巡り会えることを期待して止まない。


<ジャン・ラフェ>
 写真にあるように今回のワインのエチケットは地味である。ジャン・ラフェのワインは都内でも数多く見かけるが、そのどれもが門や畑の写真を使用したもので、ラフェのネゴシアンもののワインである。パーカーなどのコメンテーターはドメーヌもののワイン(その多くがノースバークレー社用のキュベ)を評価の対象としている。写真もののラフェは未経験のためコメントできないが、両者を飲み比べた先輩によれば、とても同じつくり手のワインとは思えなかったらしい。本来ならば私も両者を比べて然るべきところではあるが、今回以上の味わいを期待できないために、パスしておこう。

以上


目次へ    HOME

Copyright (C) 2001 Yuji Nishikata All Rights Reserved.