フィリップ・パカレ (ドメーヌ・サブル) | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年07月26日 | |||||||||||||||||||||||
<ブルゴーニュ> 少し冷やして抜栓後すぐINAOグラスへ。気持ち濁り系の薄めのルビー色。土っぽいビオ系の還元臭があり、遅れて赤系果実香(特にイチゴフレーバー)が鮮やかに香ってくる。口に含めば、酸味が利いた質感のある味わいで、軽くなりがちな味わいをしっかりとした酒質でカバーしているかのような印象だ。時間とともに味わいは開花し、野生系のイチゴを葉っぱごと食したような感覚も面白い。香りに土のニュアンスが相当感じられる。そして低いアルコール度数も関係してか、癒し系と表現したくなる優しさが心地よかったりする。歯茎を刺激するあからさまなタンニンは感じず、しっかりとした酒質が絶妙な味わいを醸しだしている。おいしいワインである。 ぶどう品種こそピノ・ノワールであるが、おじのマーセル・ラピエールが造るボジョレー(ぶどう品種はガメイ)のニュアンスに近い印象があり、血は争えないなあと思ったりもする。まさにシャトー・カンボンの優しい味わいなのである。さらに、比較的高めの価格設定のフィリップ・パカレにして、このブルゴーニュは他の造り手との価格差もなく、価格と品質の調和が整っているようにも見受けられたりする。おいしいワインである。 畑はポマールの丘の、一級リュジアンにも程近い斜面にある(ACポマールの区画外)。樹齢は40年から50年古木で、新樽は使わず、ニ・三年樽を用いてボーヌ市役所となりのドメーヌ・サブルのカーブにて樽熟成させている。生産量は3000本。余談ながらこのブルゴーニュは、収穫の翌年5-6月には瓶詰めするというから、今頃は2002年ビンテージも瓶詰めが終了し、そろそろ市場に出てくるのではないだろうか。ちょっとたのしみである。 ところで、このワインの次に同じくフィリップ・パカレが醸造責任者であったドメーヌ・プリューレ・ロックのニュイ・サン・ジョルジュ1級クロ・デ・コルベ1996を楽しんだが、その味わいにはかなりの共通項が見受けられ、さすがパカレ節と確定させたい味わいであった。パカレの醸造履歴が分かるようで、90年代のプリューレ・ロックとの比較試飲は興味深いテイスティングになるのでちょっとお勧めである。 <パカレ情報> たった今、パカレ本人からメールを頂戴した。2003年にボジョレー・ヌーボーを造るという。どんな味わいなのか、興味は尽きなかったりする。 以上 |