ペルナン・ロサン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年08月09日 | |||||||||||||||||||||||
<サントネイ> 抜栓後すぐINAOグラスへ。極々薄いガーネット色で、エッジの部分には透明な水のニュアンスが広がっている。ペルナン・ロサン香とも呼びたい土壌香は湿っていて、よく言えばスーボワ(森の下草)、悪く言えば汲み取り式の・・・。うっすらと残る果実味は、儚く弱々しい。骨格や筋肉のような構造はなく、ただ弱々しくそこに存在しているという印象だ。うまみを感じる瞬間は極端に短く、ほぼ赤い水になりそうな気配である。口に含んでいる間にはタニック的な抵抗は感じず、するりと飲み込めてしまうところに、14年の歳月をいとおしく感じ、余韻の短さには、ガーネットの色合いとあいまって、せつなさを感じざるを得なかったりもする。 サントネで14年は厳しいか。優しいピノ・ノワールの水のごとく味わいもまた、一興ではあるが、果実味豊かな味わいを好むものには少しばかり寂しさが募ったりする味わいでもある。 ペルナン・ロサンはすでにペロ・ミノなどに買収されているが、ペルナン・ロサンほどフランス国内で飲んだ人の印象と日本での評価が違う造り手もいないだろう。なぜにロサンのワインには微妙な動物香とも言える汲み取り式の・・・の香りがするのだろうか。つくづく不思議である。 以上 |