フィリップ・ルクレール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年08月09日 | |||||||||||||||||||||||
<ジュブレ・シャンベルタン アン・シャン> 抜栓後すぐINAOグラスへ。黒っぽさを残す意外に色濃いガーネット色。松脂系のちっと抵抗感のある香りと、タールのような石油っぽさがあり、その陰に隠れるように黒系果実が香っている。口に含めば、タニックさを持ちつつ、中身が空洞化しているような印象を受ける。うまみはあまりなく、少しピークを過ぎてしまった感が否めない。そこで少し待ってみる。時間とともに松脂の嫌なニュアンスは小さく後退するが、タールっぽさは頑なだ。どうやら味わいにふくらみが戻ってくることはないようで、うまみ成分を意識することもなかったりする。独特の強い香りと対照的に、味わいそのものは果実味が抜け落ちたような印象なのだ。余韻は短く、あっという間に記憶から離れようとするところが辛い。 ピノ・ノワールに10年の歳月が重くのしかかる。もっと早く飲むべきだったのだろうか。時間を置けば置くほど下がっていく味わいに、熟成の難しさを知ったりもする。 以上 |