デュジャーク | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年08月09日 | |||||||||||||||||||||||
<クロ・ド・ラ・ロッシュ> 抜栓後すぐINAOグラスへ。黒系のルビー色はデュジャーク特有の桜色よりかなり濃い目である。ベリー系の甘い香り立ちはデュジャークそのもので、赤系と黒系が絶妙に入り組んでいる。ミルキーなニュアンスも時間を追うごとにその強さを現してくるようだ。口に含めば、意外な小ささに少し驚く。特級にして、このコンパクトさはなんだろう。デュジャークの特級には常にサプライズがあるはずなのに、今宵ばかりはどうやらご機嫌も悪いのだろうか。デュジャーク節と唸らせる独特の風合いが今宵はあまりない。そこで少し待つ。 おっと。やはりでてきた。デュジャークのうまみ成分が今宵はミルキーな味わいを伴って現れてくるではないか。滑らかなタンニンと心地よい酸味が細胞を心地よく刺激してくれる。余韻も長くなり、ほっと一安心である。ただ1年半前に集中して1998は飲んでいるが、そのときのハイインパクトな味わいは幾分後退しているところが気にかかる。ただ単に閉じているだけなのか、すでに味わいのピークを下がりつつあるのか、一本だけでは判断もつきかねないが、あのときのリッチな味わいを思い出すたびに、少しばかり不安げにさせるところがまた、ピノ・ノワールの奥義に触れたような印象である。 デュジャークの1998が少し気になる夏の日の夜だった。 今宵の出会いに感謝である。 以上 |