セラファン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年09月02日 | |||||||||||||||||||||||
<ブルゴーニュ> 抜栓後すぐINAOグラスへ。ガーネット含みの深めのルビー色。香りは閉じ気味ながら、黒系果実と赤系果実が入り混じったニュアンスに、干しイチヂク、もろみ、鉄っぽさが加わっている。口に含めば、強いアルコール感が健在で、まだまだ力強さを秘めた味わい。意外にも乾き気味のタンニンが歯茎を刺激し、鉄っぽいニュアンスが強さを増しつつも、おいしいブルゴーニュの味わいである。ただ果実味自体は徐々に後退していき、未だ強いアルコール感にやや抵抗を感じたりもするが、10年前のブルゴーニュを考えると、この活き活きとした味わいは驚異的かもしれない。並の造り手ならば、とっくに赤い水になっていておかしくないはずなのに、さすがはセラファンである。余韻はそれほど長くなく、全体的にこじんまりとした印象に落ち着きやすいが、このアルコール感は酒好きには、きっとたまらない味わいだろう。セラファン好きにはたまらない、典型的な味わいを残しつつ、ブルゴーニュの奥深さに感激である。 1993のセラファンは最近よく飲んでいる。シャルム・シャンベルタンやカズティエほどの強烈なメッセージ性はないけれど、ブルゴーニュクラスにしてこの強い味わいは一飲の価値大である。そして時間とともに、酔いつつも、増してくるうまみ成分にちょっと感動である。ブルゴーニュワインの正しい歳のとり方ともいうべき味わいに、感謝である。 このワインは甲府某所で偶然見つけた逸品で、思わぬ出会いにちょっとうれしい。 以上 |