ダニエル・ボクネ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年09月06日 | |||||||||||||||||||||||
<ニュイ・サン・ジョルジュ オーサンジュリアン キュベ・ノースバークレ> 抜栓後すぐ仕様不明のブルゴーニュ赤用グラスへ。落ち着きのあるルビー色はエッジに気持ちガーネットを配する美しさ。赤系果実と黒系果実が上品に混ざり合い、乾いた土のニュアンスと干しイチヂク、うっすらとなめし皮が香っている。口に含めば、優しい味わい。やや酸味に振れながらもタンニンとのバランスもよく、程よいアルコール感と甘みのある辛口感が好印象だ。何か突出した個性がない反面、地味ながらも堅実なニュイ・サン・ジョルジュを醸しだしている。余韻も長いというほどではないが、しっかりとしたうまみ成分に包まれ、しばしいい感じなのである。まさに食中酒としての役割を全うし、黒胡椒をきかせた子羊の料理には力負けしつつも、そっと料理のうまみを後押しする感じである。 ダニエル・ボクネはいい。ニュイ・サン・ジョルジュの野暮ったくなりがちな特徴を優しく包み込む印象は、レストランにリストアップされていれば、安心して注文したくなる逸品だ。そして何より、懐にも優しいところが、またナイスなのである。 以上 |