ジャック・セロス | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年09月07日 | |||||||||||||||||||||||
<シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン> ギンギンに冷やして抜栓後すぐロブマイヤー社バレリーナグラスへ。美しい泡が幾筋も強烈に舞い上がる、これぞシャンパンの泡だと思わせるパワー。消えることのない泡は深みのある金色を背景に美しく登り続ける。湿った土っぽいニュアンスの香りがあるが、ハニー香やマロンフレーバーが上品な香り立ちをサポートしている。口に含めば、重くしっかりとした質感がなんともうれしい。切れのある酸が、シャープさを与えつつも、味わい深いたっぷりとした酒質に思わず溜息も漏れる。余韻も長く、いつまでもハニー香を主体としたリッチなバックテーストに心も躍るというのだ。 これはスパークリング・コルトン・シャルルマーニュの異名を持つに違いない味わいだ。ふくよかで重みのある質感は、肉料理ともあわせたくなり、これ一本でフレンチの夜を飾りたくもなってくる。凄いシャンパンかもしれない。 ジャック・セロスはビオディナミ農法を実践しており、土の魔術師の異名をとるクロード・ブルギニヨンのアドバイスを受けており、ブルゴーニュで学んだ知識をシャンパーニュで実践するという珍しいつくり手でもある。いくつもの独特の製法を活用し、エチケットには省略が許されているAOCの表記をし、裏エチケットにはデゴルジュマンの日付まで明記するという気合の入れようには職人魂を感じ、彼のシャンパンを口にすれば、そのこだわりに強く共感するものである。並の造り手に比べれば、高い値付けにも納得せざるを得ないから不思議である。 いつも手元に置いておきたいシャンパンがここにある。そんな感じである。 以上 |