ルイ・ジャド (アンドレ・ガジェ) | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年10月04日 | |||||||||||||||||||||||
<ボーヌ 1級 サン・ヴィーニュ> 抜栓後しばらく経ってINAOグラスへ。熟成感たっぷりのガーネット色。香りはふくよかで、ベリー系の果実味のニュアンスを残しつつ、湿った紅茶葉に、干したイチジク、優しい動物香に燻し香が加わり、落ち着きのある香り立ちだ。口に含めば、シルキーな滑らかさが心をウキウキさせる。丸みを帯びたタンニンと、ぎゅっと舌の両脇を優しくくすぐる酸が楽しげでく、思わず、うまいと呟いてしまうおいしさ。まさに球体に近づいたまろやかな味わいは、いつまでも心に響き、鼻腔に広がる豊かな香りに、幸せ感が増してくる・・・。 このボーヌには1993年によくある強い動物香がなく、なめした感じの動物香にほっと息をつき、俄然好みの味わいだ。しかし、ジャド(エチケットにはアンドレ・ガジェとあるが)には、外さないすばらしさがある。店頭にあまりにも多く並ぶがゆえに、敬遠しがちな面はあるものの、金銭的にも技術的にも余裕があるワイン造りを、このレベルで見せつけられると、旨いとしか言いようもない。 今宵の出会いに感謝である。 以上 |