ジャン・コルテ (CD) | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年10月04日 | |||||||||||||||||||||||
<ジュブレ・シャンベルタン> 抜栓後すぐISOグラスへ。ガーネットの艶やかな色合い。なめし皮の上品な香り立ちが、非常にすばらしく、加えてベリー系の果実味、イチヂク、キノコ、古樽のニュアンスが複雑に絡み合い、ドメーヌのカーブの中と同じ香りがするから不思議だ。時間とともに乳酸チックな香りもプラスされ、その移ろいやすい香り立ちに、ちょっとエキゾチックである。口に含めば、丸い。心地よい酸と丸みを帯びたタンニンとふくよかな味わいのバランスがよく、繊細で極めて上品なジュブレ・シャンベルタンの表情が目に浮かぶ。するりと喉を通過してから戻ってくるうまみ成分に、ちょっと声も出ず、いつまでも続く余韻に、1993年の天の恵みとジュブレ・シャンベルタンの大地の恵みと10年間の歳月の重みが重なり、何ともいえぬ官能的な時間が経過していく。これはちょっと笑うしか手立てがなさそうである。 今回のワインはリアル・ワイン・ガイドの第三号の表紙を飾ったジャン・クロテのスペシャルワインである。(同誌の表紙にはエマニュエル・ルジェの作による2000年のヴォーヌ・ロマネ)。エチケットにはジャン・クロテの下に、クロード・デュガの作であることを示すCDのマークがあり、コルクにはしっかりClaude GUGATと刻印されている逸品だ。すでに市場で見かけることもなくなったが、なぜだか遭遇できる喜びに、感謝なのである。 しかし1993年のブルゴーニュはどれも旨いぞ。ちっょと感動である。 以上 |