ジャンテ・パンシオ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年12月05日 | |||||||||||||||||||||||
<ジュブレ・シャンベルタン> 抜栓後30分位経過後にリーデル社ブルゴーニュ用グラスへ(仕様不明)。スポットライトの光を受けて、輝くルビー色。決して濃くない美しさである。土のニュアンスが強く、カシス、ベリー、フランボワーズなどの赤黒入り混じった果実香が上品で、かつ香りに勢いがある。口に含めば、滑らかなビロードを想像させる優しい癒し系の味わいを基調で、それでいてガチリとジュブレ・シャンベルタンらしい筋肉質さも併せ持つからうれしくなる。丸みを帯びたタンニンと、心地よい酸味が食欲をそそり、ワインの厚み自体はそれほどヘビ級でないものの、余韻も長めで、レストランでまさに欲しい味わいだ。それでも時間が経ち、酸味が全面に現れてくる頃には、やや後退を意識させつつ、一方で静かに今宵のエンディングが近づいていることを暗示してくれいるようで、この自然の移ろいゆく様もまた、一興なのである。 今宵は、ひさしぶりにレストランキノシタにてキノシタ・ワールドの料理(蝦夷鹿のカルパッチョとトリフ、そして牛フィレとフォアグラのソテー)とあわせてみた。なるほど、ブルゴーニュ好きのシェフらしく、ガツン系の料理に対し、ジャンテ・パンシオの癒し系の滑らかな味わいが、いいバランス感覚をかもし出し、料理との調和が見事である。力強い料理に強いワインをあわせるには、やや疲れを覚えてしまう年頃になってしまうが、ワインが癒し系に振られると優しいピノ・ノワール好きなだけに、ガツン系の料理も食べたくなってくるから不思議である。 レストランならではのマリアージュに感謝である。 以上 |