セラファン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2003年12月06日 | |||||||||||||||||||||||
<特級シャルム・シャンベルタン> 澱を取り除くために抜栓後デカンタしてすぐINAOグラスへ。美しいガーネットが、官能的なピノ・ノワールの世界へと誘ってくれるような、そんな色合いである。なめし皮が極めて上品に香り、干しイチヂク系のブーケが鼻腔をくすぐるとき、えもいわれぬ異次元の世界へと迷い込んでしまったかのような錯覚を覚え、しばらくその錯覚の合間を漂っていたい夢心地である。口に含めば、エキゾチックで、細胞がビクンと反応する。なめらかで儚いうまみ成分の塊にしばらく、ほんとうにしばらく、自分が壊れていく様が、絶妙である。そしてここに、ワインとしての完璧な到達点を知るのである。今猛獣に攻められたら、確実に負ける。それほどの無防備さをワインに感じるとき、改めて天の恵み、地の恵み、人の英知を知ることだろう。大感謝である。 このワインは某氏秘蔵のワインで、幸運にも2ヶ月前に甲府某所で堪能してもらったワインである。あらためて1990年という凄い年に感動すると共に、各位に感謝なのである。 以上 |