ダニエル・ボクネ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年01月03日 | |||||||||||||||||||||||
<ニュイ・サン・ジョルジュ キュベ・ノースバークレイ> 抜栓後すぐINAOグラスへ。深いルビー色は気持ちガーネットを含んだニュアンスだ。香りは閉じていて、少し愛想がないような感じではあるが、それでもカシスを中心とした黒系果実とニュイ・サン・ジョルジュらしい土っぽいニュアンスを感じさせる。口に含めば、非常にクラシックな味わいで、甘みを一切感じさせないドライな味わいが、ビターな大人の世界を垣間見させてくれているかのよう。酸とタンニンが共に硬く、男性的な酒質は身を閉ざすかのごとく頑なで、ちょっとやそっとでは折れない意地のようなものを感じたりする。1995は抜栓のタイミングが難しいビンテージであり、それもクラシックな造り手の場合はなおさらである。しかしながら、高い酒質とパワフルさを秘めた味わいはいつ爆発するかも知れず、ワインと真正面に対峙しての真剣勝負を挑みたくなるから面白い。 また一方では赤身肉との相性は抜群で、料理をしっかりとサポートする様はワンランク上の味わいを知るところとなり、料理をメインにした食卓の燻し銀的な存在感に気付けば、より豊かな食空間が楽しめそうで、何とも奥深い。甘くないだけに初めてブルゴーニュを飲む人には少しばかり愛想はないが、意図的な甘みに食傷気味な人たちには、この地味な味わいが新たなる好奇心をくすぐってくること間違いなさそうである。 今宵の出会いに感謝である。 以上 |