メゾン・ルロワ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年01月31日 | |||||||||||||||||||||||
<ブルゴーニュ> 抜栓後すぐINAOグラスへ。薄い色合いのガーネット。香りには熟成感が漂い、紅茶、鉄っぽさ、乾いた土壌香、赤身肉のニュアンスがある。口に含めば、優しい味わいで、果実味がすっかり抜け落ちたような空洞感が面白い。それでもうまみ成分は、たんとあり余韻も意外に長い。タンニン、酸、厚みのバランスはとても小さくまとまっている感がありつつ、さすがルロワを思い起こさせる余韻にちょっとしたサプライズもある。時間と共に香りは干したイチヂクモードがあふれ出し、その一方で味わい自体は静かに水になろうとしていく様も一興だ。 11年前のピノ・ノワールである。果実味のなさから推測して、全盛期は明らかに過ぎていると思われるが、長い歳月を経てもなおワインであり続ける姿に感慨もひとしお。ただし途中でパワーを失っていくので、二人の食卓にはやや厳しさもあり、ワイン好きが数名集まってピノ・ノワールの熟成感を短時間に楽しむほうが良いと思われる。熟成のカーブの描き方に一石を投じるワインかもしれない・・・。時空を越えた出会いに感謝である。 以上 |