フーリエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年01月31日 | |||||||||||||||||||||||
<特級グリオット・シャンベルタン> 抜栓後しばらく経ってからINAOグラスへ。熟成を感じさせるガーネット系の深みのあるルビー色。香りは象徴的で、まさに野いちごの強烈に香り立ちがすばらしい。バラやカシスやプラムのニュアンスも感じられ、この甘みを帯びた香りに、熟成感漂う枯葉のニュアンスが絡み合いなんとも絶妙である。口に含めば、滑らかでふくよかな味わい。力強さというよりは、優しさと表現したい男性的なニュアンスに、華やか系の複雑な味わいがサポートされている趣にグランクリュの上品さを感じ入る。うまみ成分に酔いしれながら、他の特級畑に比べて、結構うねっているグリオットの畑を想像するのも悪くない心境だ。ただ不思議なことに余韻自体は期待するほど長くなく、あれれという間に終わってしまうところに一抹の淋しさも感じたりする。 1997年のブルゴーニュは、熟成感と果実味の両方を一挙に楽しめて、本当においしい。特にフーリエのこの特級ワインは、一発目の華やかな果実味(野いちご)が突出しているのに、しっかりと熟成モードも堪能させてくるから面白い。もう少し余韻が長ければ、きっと後世に名を残すようなワインになりえそうだが、そうしないところにかえって愛着も覚えたりするので、ワインは何とも不思議な飲み物だったりする。 以上 |