ルイ・ラトゥール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年01月31日 | |||||||||||||||||||||||
<特級ロマネ・サン・ヴィヴァン レ・キャトル・ジュルノー> 抜栓後しばらく経ってからINAOグラスへ。熟成を感じさせるガーネット系をエッジに感じさせるルビー色。香りは妖艶で、豊潤にして、官能的。カシス、プラム、イチヂク、バラ、スミレ、イチゴ、紅茶、なめし皮、土、カカオなどが複雑にかつ上品に絡み合い、焦がしたニュアンスとともに熟成感も意識させる。口に含めば、かなりのハイ・インパクトさで、これぞヴォーヌ・ロマネの特級たる存在感だ。ビロードのごとく滑らかな味わいは、品があり、厚みもある。威風堂々。この酒質の高さは目を見張るものがあり、最高レベルと賞賛したくなる味わいだ。ふくよかな味わいにして、構造がしっかりとし、華やいだ妖艶なニュアンスと共に、熟成感を伴いつつ限りなく球体に近づく味わいは、ちょっと格別である。余韻はとても長く、肌には鳥肌が立っているのも頷ける一瞬だ。 ヴォーヌ・ロマネは非常に難しいアペラシオンだが、かくもぴったりタイミングが合うと、これほどまでに官能的なワインも他にない。果実味と熟成感の両者を楽しみつつ、熟成を強く意識させるバランス感覚に、歓喜の声を上げたりする。思わず、溜息が出て、グラスをずっと見続ける自分に有体離脱し、かあ、としかいいようのない自分に気付くのである。 ルイ・ラトゥールはネゴシアン・ドメーヌとしてブルゴーニュに影響力も持つが、比較的白ワインの方が評価も高い。しかし、このキャトル・ジュルノー(四日間)と呼ばれる由緒正しいロマネ・サン・ヴィヴァンの区画から、途方もないほどの銘醸ワインを造っているので、ボーヌに寄った際は思わず買いたくなる衝動に駆られたりする。 以上 |