ルフレーブ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年03月06日 | |||||||||||||||||||||||
<特級シュバリエ・モンラッシェ> 抜栓後すぐINAOグラスへ。黄色が強いゴールドは、視覚的にも強い酒質を感じさせ、期待も大いに深まってくる。香りは残念ながら閉じていて、ルフレーブ特有のパワフルでボリューム感のある香り立ちではなく、穏やかにゆったりとしたハニー香がグラスを支配してくれている。白い花のニュアンスやバター香や燻し香も控えめながら存在し、いずれはカラメル香まで出てくるからうれしくなる。口に含めば、タニックさを持った切れのいい酸が特徴的で、うまみ成分がたっぷりとのっていて、とてもいい感じである。 シュバリエ・モンラッシェというと難い酸を想像しがちで10年後に飲むワインという印象を持つが、1998年のこれはビンテージの影響を受けてか、すでに飲み頃感が前面に出ていて、なるほどうまい、と思わせる味わいである。複雑にして意外に飲みやすいシュバリエであり、特級のポテンシャルと難しいビンテージの間に挟まれ、なかなかどうして、非常に興味深い。(特級のポテンシャルの高さには目を見張るものがある・・・)。 しかし、まことに残念ながら余韻は短目というしかなく、硬くない酸の影響により意外にするりと終わってしまう飲み心地に哀愁を感じたりもする。ルフレーブらしからぬ力強くない香り立ちと短めの余韻が、どことなく1998の悲哀を感じさせるのだ。このワインは口に含んでいる間はとてもおいしいのだが、飲む前の香り立ちと飲んだ後の余韻にやや物足りなさを感じてしまうので、熟成を期待させるよりも、今宵のように早めに楽しむほうが、より一層おいしくいただけそうである。 以上 |