グール・ド・モータン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年04月11日 | |||||||||||||||||||||||
<コート・デュ・ローヌ・ビラージュ・ラストー> 抜栓後すぐINAOグラスへ。ムラサキ含みの濃いルビー色。香りはとても印象的で、まさに赤身肉の血の香りと思われる独特のワールドをもっている。ベリー系の香りにスミレなどが重なり、非常にインパクトが強い香り立ちだ。この香りはワイン好きなら一度は嗅いでもらいたい香りのひとつだろう。口に含めば、香りから想像される荒々しさはなく、シルキーで木目の細かい滑らかな味わいが、かなりのサプライズである。ミネラリーでしっかりとしたボディ感をもち、加えて程よい酸味と丸いタンニンとのバランス感覚はすばらしく、気持ち高いかなあと思わせるアルコール感のせいか甘みすら感じたりする。余韻も長めで、まんず幸せなひと時が、うれしい限りである。 また情報によれば、このワインを造り上げたジェローム・プレッシーはローヌにおいてスーパースターの地位に一気に駆け巡った男であり、ラストーの斜面に植わる樹齢60年前後のグルナッシュ種を主体にしたワイン造りに精を出し、2001年の収穫量は15hl/haで、ブルゴーニュの特級ワインの半分以下という驚異的な低収穫量で、シルキーなのに複雑な情報量を感じる所以は、このあたりに潜んでいるかもしれないと思ったりする。 このワインはずばり、うまい、である。血の香りと滑らかな口当たりは、まさに美味なのである。さらにはDRCのグラン・エシェゾーよりも立派なコルクに戸惑いを覚えつつ、しかし納得の味わいに感激かもしれない。そして大方の予想通り赤身肉との相性はバッチシで、ローヌ渓谷の風景を想像すると、なんだかとても懐かしく思われ、そういえばラストーの地で数日過ごした日から2年の歳月が流れているのかと思うと、感慨もひとしおだったりする。 以上 |