ヴェルジェ
試飲日 2004年04月13日
場 所    都内某所
照 明 ?
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC白ワイン
生産者 Maison VERGET (Sologny) 
Vintage 2002
テーマ ヴェルジェ水平
ワイン 各種(24種類)

<ヴェルジェ水平>

 今回はスペシャル企画として、都内某所で行われた「白の魔術師、ジャン・マリー・ギュファンス」率いるメゾン・ヴェルジェの水平テイスティングに参加してみた。ワインは個性に溢れ、大変興味深い会であり、途中フードジャーナリストの某女史と雑談などしながら、すべてのワインを複数テイスティングさせていただいた。

 ワインリストは下記の通り。すべて2002年。辛口白ワイン。太字はマイブーム。

 マコン・ヴィラージュ
 マコン・ヴィラージュ レ・ヴァロン・デ・ラマルティーヌ
 マコン・シャルネイ クロ・サン・ピエール
 マコン・ビシエールVV モンブリゾン
 マコン・ヴェルジソン ラ・ロッシュ
 マコン・ラ・ロッシュ・ヴィヌーズVV ソンメレ
 ヴィレ・クレッセVV ロアリー
 サン・ヴェラン オー・ド・リネ
 サン・ヴェラン テロワール・ド・ダヴァイエ
 サン・ヴェラン ヴィーニュ・ド・サン・クロード
 ピュイイ・ヒュイッセ
 シャブリ テロワール・ド・シャブリ
 シャブリ キュベ・ド・ラ・ブット
 シャブリ1級 コート・ド・レシェ
 シャブリ1級 モンマン
 シャブリ1級 ヴァイヨン
 シャブリ1級 モンテ・ド・トゥネル
 ブルゴーニュ・アリゴテ
 ブルゴーニュ・グラン・エルバージュ
 ムルソー テット・ド・キュベ
 ムルソー・ルージュ
 ピュリニー・モンラッシェ1級スールピュイ 
 シャサーニュ・モンラッシェ レ・ショーム
 特級コルトン・シャルルマーニュ

 
 ヴェルジェのワインを大量にテイスティングすると、ある真実が見えてくる。それは、ワインの安定した高品質さということで、これには心底尊敬の念を抱きたくなる。そしてマコンからコート・ド・ボーヌを経てシャブリに至るブルゴーニュの場所の個性を見事に表現していて、シャルドネという葡萄品種の場所による個性(そうそれはつまりテロワールだ)に、何ともいえない不思議さを感じ入ったりする。ヴェルジェは外さない、ということが2002年ビンテージからも読み取ることが出来た。

 そしてもっと驚くべきことは、その味わいが価格に比例しているということだ。値段が上がれば、ワインの個性も明確化する。これほど品質と価格が連動している造り手も珍しいかもしれない。消費者にとっては価格の目安という分かりやすい判断基準を持てるので、予算に応じてワインを選べばいいわけで、場所の個性の認識に不得手でもちっともワイン選びは難しくないからありがたい。大まかに、マコンとコート・ド・ボーヌ、シャブリの個性が把握できるか、もしくはそれらの違いを確かめたいのなら、まず第一にお勧めしたい造り手かもしれない。
 
 ところで、ヴェルジェのワイン選びにはちょっとしたコツもある。それはラベルにヒントが隠されていて、まずはエチケットの外周に金色のラインが施されていると、それは特別においしいキュベであることを意味するらしい。同じ銘柄で金ラインのあるなしで比較できなかったので、なんとも微妙だが、確かに金ラインのあるワインは味わいに豊かさが加味されているようであった。(たんなる思い込みかも?)

 また周知の通りVERGETの「V」には2種類のロゴがあることが知られていて、それは葡萄を模したバージョンと明朝体?バージョンのふたつである。ギュファンス本人に確認したがそれほど明確な違いはなく、比較的葡萄バージョンの方が思い入れも深そうだが、区分けの定義は曖昧で、まあ手に取ったエチケットの「V」がぎざぎざしていたら精神的にちょっとうれしいだけかもしれない。

 いずれにしてもヴェルジェのワインは外さない安定感があり、それは逆に言えば途方もない感動というものにも遭遇しない、ということに繋がりはするが、外せない夜やブルゴーニュの個性を知りたい夜には欠かせない造り手の一人であり、なかなかいい感じなのである。

 余談ながらヴェルジェはビレ・クレッセの北側のとある村で甘口ワインも作っているらしい。今回は試飲できず、また日本で見かけたこともないので、マコンに行った時にでも探してみたかったりする。

 
以上

 


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