ル・ブリソー
試飲日 2004年04月29日
場 所    自宅
照 明 白熱灯
種 類 フランス ロワール地方テーブルワイン
生産者 Domaine Le Briseau (Marçon)
Vintage Non (ただし2002という噂)
テーマ パタポン
ワイン Patapon - Vin de table français

<パタポン ヴァン・ド・ターブル・フランセ>
 
少し冷やして抜栓後すぐINAOグラスへ。オレンジがかった桜色というべきか、濃い目のロゼ色というべきか、薄く、かなり個性的な色合いである。香りにはビオ系ワインにありがちな還元臭(う○こ臭さ)があり、パタポンよ、おまえもか、と呟きたくなる香り立ち。かなり大胆にガラスをまわし還元臭を飛ばしてみると、梅のガムに似た香りがしてくるから不思議だ。それでもINAOグラスでは還元臭が抜けきらず、ボルドータイプのグラスにジョボジョボ注ぎしてみると、こちらは嫌な香りは影を潜め、梅ガム(噛んでる間に飲み込みたくなるタイプのなつかしいガム)にハーブチックで茎っぽいニュアンスが加わってきたりする。口に含めば、少し微発泡しているかなと思いつつ、チャーミングなイチゴ系の果実味があり、自然派特有の穏やかな味わいが醸しだされる。ボディ感はなく、若干、舌と歯茎が乾き気味のタニックさに戸惑いを覚えるが、意外なほどうまみは乗っていて、程よい酸味もいい感じではある。余韻もそこそこあるから、結構楽しくもある。

 そして時間が経つにつれ、キャンディぽい甘みを感じ、それでも還元臭とハーブが漂い続けるので、何とも難しいワインと思いつつ、笑えるエチケットに、なんだかこれはこれで、いいのかも、と許せたりするところが面白い。

 このワインはある意味好みを分ける味わいかもしれない。「うまい」といえば旨いような気もするし、誰かが「不味い」といえば、そんな感じも否めなかったりするからだ。この微妙な味わいは、賛否を分けるだろうが、自然派志向の飲み手には、意外にすんなりと受け入られるようでもあり、そっちの世界にはまだ躊躇させる何かもあったりするから、ますます興味もわいたりする。

 そんなこんなで、今宵は珍しく飲みながら筆を進めているが、時間と共にどんどんおいしさを感じるところが、いい感じである。しかしやはり苦味が最後まで口に残るので、自然派を初めて試すにはちょっと待てと言いたくもなる。個人的には、ある程度自然派ワインを飲み進んだ人に、こんなワインもあるよと紹介したいワインかもしれないと思いつつ、酔いもまわってきたりするのであった・・・。

 ていうか、笑えるエチケットにすべてを許そう、そんな感じである。

 だってパタポンなんだもん・・・。

 葡萄品種はピノ・ドニス。ビオディナミ農法により、酸化防止剤無添加らしい。蝋封。


以上
 


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