ジャン・クロード・マス
試飲日 2004年05月06日
場 所    自宅
照 明 白熱灯
種 類 フランス ラングドック・ルーション地方AOC白ワイン
生産者 Jean-Claude Mas (Pezenas , France)
Vintage 2002
テーマ 最近の超お気に入り
ワイン Limoux (V-B et Auromon) Chardonnay

<リムー V-B(トワベー)・エ・オウモン シャルドネ>
 抜栓後少しだけ試飲した後で蓋をして、およそ6時間経過後に少し冷やしてINAOグラスへ。気持ち緑がかり色づきのあるゴールド。香りにはなぜだかカレー香があり、不思議だなあと思いつつ、柑橘のニュアンスに、ハーブが少しあって、キャラメルキャンディのような香りにミルキーっぽい香りまであったりするから面白い。口に含めば、とろみがあり、ふくよかな味わいで、瞬間的に「うまい」と発してしまったりする。やや強めのアルコール感があり、まったりとした質感も面白い。余韻はそれほど長くないが、気持ち重めのボディ感と心地よい酸味がいつまでも舌を湿らせてくれるから、うれしくなる。 

 これはうまい、である。複雑みやエレガントさはないものの、しっかりとしたボディ感と、気持ち甘めのクリーミーさが楽しげで、1000円台とは思えないコストパフォーマンスのよさに脱帽しつつ、とりあえずもう一杯欲しくなる味わいだ。超お買い得の逸品として、ケース買いも視野に入れるべきだろう。

 そしてこのワインの最大の特徴は、AOCにある。一般にシャルドネ種の成功地として、またAOCとして確立する産地には、もちろんブルゴーニュがあり、そしてシャンパーニュがあることは、ここで強調することでもない。しかし誰も気づいていなさそうなのが、ピレネー山脈にも程近いラングドック・ルーション地区のリムーだ。ここもれっきとしたシャルドネ種を用いたAOCワインなのだ。この事実は重要で、フランス国内でもシャルドネを謳った多くのワインがテーブルワインの範疇に入る中、高級ワインの頂点に君臨するAOCを獲得するリムーはフランス政府のお墨付きがあることからも推測できる通り、高品質が約束されているのである。

 そしてこのワインは先日の静岡セミナーでも大好評をはくし、(ドーブネ大会にもかかわらず、である・・・)、思い余って自分ちでも飲んでしまうという、まことにうれしさが込み上げてくるワインでもある。

 ところでこのワインは液温9℃ぐらいでは、その本領を発揮せず、閉じ気味で、少し室温に馴染ませてから楽しみたい。また重めのボディ感もあることから、汗が滴るような日にはちょっとクドイかも知れず、快適な室温をキープする部屋でたっぷりと楽しむワインだと思われる。まずはものの試しにご一献、いい感じである。ただしあまり時間をかけていると、途中から苦味が出てくるので、くいくいっと早めに飲んだほうがいいかもしれない。
 

以上
 


目次へ    HOME

Copyright (C) 2004 Yuji Nishikata All Rights Reserved.