コシュ・デュリー | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年05月22日 | |||||||||||||||||||||||
<ヴォルネイ1級> 抜栓後すぐINAOグラスへ。ガーネット含みの熟成感を漂わせるルビー色。甘い果実香は「コシュ・デュリの赤」を意識させ、これに干しイチヂクが加わり、気持ち土っぽさを感じさせる香り立ち。口に含めば、優しいエレガントな味わいで、鉄分を含んだやや軽めのボディ感ながら絹系の柔らかさを持っている。酸味と丸いタンニンのバランスはやや酸味よりだが、ピノ・ノワールの熟成に期待するものを確実に提供してくれる味わいだ。これがヴォルネイの繊細さかと思うと、頬も緩みつつ、幸せなひと時がやってきてくれたりする。余韻も長めにあり、熟成のピークを超えて下り坂を意識させつつ、おいしいワインである。 ただしコシュ・デュリに期待を大きくしがちだと、赤系鉄サビ系に通じかねない軽いテーストにやや戸惑いを覚えるかもしれない。(コシュ・デュリ自身は造っていないが)ポマールのようなズシリ感はないので、熟成モードにあり、繊細でエレガントな味わいを楽しみたい夜にセラーから取り出したい逸品だろう。いずれにしても1997年のブルゴーニュの赤は、好みの味わいで、大変美味しいからうれしくなる。 以上 |