クロード・デュガ
試飲日 2004年05月22日
場 所    神奈川県某所
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン
生産者 Domaine Claude DUGAT (Gevrey-Chambertin)
Vintage 1995
テーマ デュガの安心感
ワイン Gevrey-Chambertin 1er cru Lavaux St Jacques

<ジュブレ・シャンベルタン1級ラボー・サン・ジャーク>

 抜栓後すぐINAOグラスへ。黒系のルビー色の中にガーネット含みの熟成感を漂わせる色あい。香りは穏やかで、熟し気味の黒系果実とスミレのような花のニュアンスがあり、乾き気味の土壌香に気持ちスパイスチックな香りが加わっている。口に含めば、このドライな味わいは閉じ気味を意識させるが、余計なものが排除されたピュアな果実味が少しずつ熟成モードを表すかのようなニュアンスが面白く、派手さやケバさがない分、シックでロマンスグレー的な上品な味わいである。そして一見愛想がないように思える味わいは、飲み込んでからが本領を発揮するようで、押し戻ってくるうまみ成分と途方もない余韻に、言葉も出ない。凄いかもしれない、である。

 このワインはラボ・サン・ジャークから連想する男性的で力強いワインではなく、極めて上品な味わいで、酒質の高さは、地味ゆえに一瞬その高さに気がつかないが、それが途方もないレベルであることに、余韻に身を任せつつ思ったりする。

 1995年は偉大な年のひとつに数えられながらも、硬い酸ゆえに抜栓方法が難しいビンテージと思っているが、今宵のデュガは抜栓直後の派手な分かりやすさがない分ビンテージ相応の余地を残しつつ、しり上がりにどんどん競りあがるパワーは、ブルゴーニュの凄さを実感させるに余りある力を持っているような気がするから感激である。


以上
 


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