フィリップ・パカレ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年06月27日 | |||||||||||||||||||||||
<ブルゴーニュ・ルージュ> 抜栓後すぐINAOグラスへ。ムラサキを配する濃いルビー色は、これが本当にパカレのワインなのかと目を疑いたくなるほど。これぞ2003年ビンテージの特徴的な色合いなのだろう。香りはベリー香が豊かで黒系果実が他の香りを圧倒するかのようだ。口に含めば、これまたパカレの薄い味わいとは全く趣を変えた、濃くって強い濃縮感のある味わい。ピノ・ノワールがここまで濃縮するのかと驚きつつ、幾分乾き気味のタンニンに違和感を覚えたりする。余韻はそれほど長くはなく、今飲むにはかなり抵抗感がある味わいで、パカレのカーブで樽から試飲させてもらったときとは、かなり味わいに違いを感じたりする。 しかし、2003年はある意味、凄いかもしれない。日本ではようやく2002年ビンテージが売り出されたと思いつつ、異例な年の2003年は早くもその樽熟成を終え、ボーヌのワインショップで販売されていたりするのだった。そして2001年・2002年で共通したパカレ節とも言うべき薄い色合いと遅れてやってくるうまみは、この2003年のブルゴーニュに限っては見当たらなかった。とにかく濃いのである。いやはやこれがビンテージというものなのだろう。2003年の異常な暑さをワインを通して感じると、感慨もひとしおだ。 そして、さすがに一晩で一人で一本は飲みきれず、翌日飲み残したワインを楽しむと、濃いながらもパカレらしい、お出汁系のうまみが心地よく、これがパカレの作であることをしみじみと分からせてくれたりした。 パカレはやはり飲み方次第ということなのだろう。この経験を踏まえ、日本でも美味しく飲みたいと思いつつ、日本で発売されるのはいつだろうと思いながら、ぜひとも日本での再会を待ちたいこの頃だったりする。 以上 |