ベルナール・デュガ・ピィ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年06月26日 | |||||||||||||||||||||||
<ジュブレ・シャンベルタン VV> 抜栓してすぐISO規格グラスへ。ムラサキ色を配する濃いルビー色で、この濃さからも相当の濃縮感を感じさせる。香りはベリー系の力強い香りが圧倒的で、黒系果実の塊のようなニュアンス。口に含めば、濃くって強くって硬く閉じている。明らかに飲むには時期尚早といった印象を持たざるを得ず、平たく言うとあまり美味しくない。やはりISOの規格グラスではこのワインのポテンシャルの高さは意識するものの、現実として美味しいワインを表現することは出来ないのだろう。 そこで某氏らと協議の上、デカンタージュをしようということになったが、あいにく引越し直前のためデカンタはなく、一見変化球気味ではあるが、料理用のボウルにゆっくりと移してから、再びボトルに戻すという方法をとることにした。またグラスも大振りのブルゴーニュグラス(仕様不明)に変更し、ある程度たっぷりと注いで楽しむことにした。するとどうであろうか。空気に触れたワインは一気にとまでは行かないが、ようやくその硬く閉じた脇を緩めてくれて、うまみのニュアンスを表現しだした。 「うまい」 やはりデュガ・ピィの2002年はジュブレ・シャンベルタンをもってしても極上のうまみを持ち合わせ、現地某誌の伝説化するとの評価はあながち大げさではないだろう。一度開花させたその味わいは、エレガントな余韻が途方もなく長く、それは「伝説」まで続くと思われるからだ。2002年をしてデュガ・ピィはただ抜栓して、そこら辺のグラスに注いだだけではその能力を垣間見せることすらせず、持てる知識を動員していかに美味しく楽しむかを模索し、それを実現できると大いなる喜びがもたらされるのだろう。 異常なほどの高値を呼び、2004年ビンテージまでは拡大路線(シャサーニュ・モンラッシェ1級、ムルソー、ポマール、マゾワイエール・シャンベルタンなど多数の新規耕作)をとるデュガ・ピィに関しては、賛否両論を認識しつつ、DRCに対抗しうるデュガ・ピィのポジションを認識すれば、自ずと自分自身(飲み手)の結論は出てくるものと思われ、今後もいろいろと検証していきたいと思いつつ、やはり高いので、厳しさも募ったりする。 以上 |