ジ・アイリー・ビンヤーズ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年08月15日 | |||||||||||||||||||||||
<ピノ・ムニエ> 抜栓後すぐリーデルのブルゴーニュグラスに。美しいルビー色は、少し橙色を帯びているようだ。香りには還元的な要素があり、フランスのビオ系ワインに共通するニュアンス (このワインも有機系らしいが未確認)。赤い果実の香りが優しく香り、シャソルネイのピノ・ノワール的な趣も面白い。口に含めば、酸味が心地よく、タニックさが表面に出ていない分、ボディ感はあまり感じず、それほどの複雑味はないようだが、日本人の拠所的な梅鰹系のお出汁のニュアンスに、肩の力はふうっと抜けていくから面白い。余韻は長く、まさに美味しいワインは飲み込んでからが勝負どころの持論をそのままワインにしたような感覚が面白い。このワインにブルゴーニュのピノ・ノワールほどの情報量を求めるのは酷だが、なんだか妙に気になる一本になりそうである。オレゴンもいい感じ。 オレゴンはピノノワールの成功地として知られるが、ピノ・ムニエの可能性も秘めているようで、大変興味深い。そもそもピノ・ムニエはシャンパーニュの3つめの葡萄品種ながら、他の産地では見かけることもなく、またシャンパーニュでもピノ・ムニエ100%で造られているのも少ないようで(ジェローム・プレボーが有名か?)、なかなかにマイナー路線を歩んでいるが、このオレゴンの地で見つけた幸運に感謝しつつ、某所で3,000円以内で買えることを考えると、ちょっとマイブームの予感も走ったりするから面白い。 いずれにしても、このお出汁系のワインに慣れてくると、パーカーの高得点ワインに触手も縮みがちになるところも一興だ。力を抜いて、つかの間の憩いを楽しむなら、このワインが超お勧めだ。まずは一本、て感じである。 以上 |