機山洋酒工業 | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2004年09月02日など | |||||||||||||||||||||||
<キザンワイン白 (甲州)> 抜栓後すぐINAOグラスへ。無色系が多い甲州種にあって、薄いが決して透明ではない透明感のあるゴールドが輝いている。香りはパワフルさこそないものの、綺麗にフローラルで、白系果実がとても上品。また、白桃の香り立ちに焼いたパンのニュアンスが重なっているから、ちょっとうれしい。そして、弱いがハチミツのようなニュアンスも感じられる。口に含めば、クリーミーな果実味がうれしく、果実味にほどよい苦味が加わって、鼻から抜けばナッツの装いも楽しげだ。気持ち甘めのテーストも、しっかりとした酸の裏づけがあるのでクドクならず、好印象。余韻はそれほど長くはないが、山菜系の苦味にも似た後味は、食欲もそそられつつ、この苦味は和食のそれに相通ずるものがあるような気がして、そんな苦味つながりを料理に探すのも面白そうなのだ。決して飽きのこない味わいは、何とも穏やかで、日常生活にほつとした憩いをもたらしてくれそうな感覚である。 パワフルなシャルドネに慣れてくると、この上品なフローラル感は、ややもすると物足りなさを感じるかもしれず、また見方によっては水っぽさを感じる可能性もあるので、万人受けするかどうかは分からないが、サプライズ系の白ワインに飽きてきたと思う人には、昔から和の食卓にあったような、そんな「情緒」も感じると思われるこのキザンワイン(甲州)がお勧めである。 なんだか、とってもほっとする。 日本にもハッピーワインがあることを、このワインが証明してくれている。日本の頭脳とも言うべき理科系のエリート夫妻にして、関西系ゆえにどこぞでお笑い芸人の血が混ざってしまっていそうな、そんなおちゃめな土屋ご夫妻のオーラをこのワインから感じる時、「目指すは地球の裏側にあらず、富士山の向こう側にあり」と、改めて思わせてくれるから大感謝である。 灯台下暗し。日本にも本当に美味しいワインがある。たとえば、これ。 ブルゴーニュ魂は、キザンワインに恋をして、まことに勝手ながら、ひそかに(というか大々的に)応援させてもらいます。 追伸 半分ほど残ったワインを翌日も楽しんだが、大変美味しかった。 以上 |